漆と音楽

漆と楽器は関係がないように思われますが、日本の雅楽器は古くから漆が使われてきました。
雅楽器以外にも漆の魅力に気づいてくださったバイオリニストや指揮者などの音楽家の方々から、楽器や付属品に漆を塗り蒔絵を施して欲しいというご依頼をいただくことが増えてきました。そんな音楽家の方々に音楽の魅力とともに伝統的な漆の魅力も音に乗せて伝えていただけると幸いです。

オリジナルの楽器

昔ながらの図案の蒔絵から、モダンなものまで、オーダーメイドでのご注文を承っております。何度も打ち合わせを重ねてご満足いただけるようにご要望にお答えします。

過去にバイオリンやチェロのテールピース、指揮棒、指揮棒ケースに蒔絵を施してきました。その一部をその時のストーリとともにご紹介します。

教え子たちから恩師へ還暦のお祝いとして指揮棒ケースの贈り物

男性が持って品がよく、華やかすぎずかつモダンな品物というオーダーをいただき制作しました。最初に仕上がりの雰囲気やイメージを我が家の品物から選んでもらい、選んだ品物を基に、文様とベースを何パターンか提案させて頂き何度か打ち合わせをして図案を決めました。何度も図案の打ち合わせを繰り返し、白檀塗りに仕上げた上に重ね竜胆文様の蒔絵を施した指揮棒ケースが完成しました。ケースに合わせた袋も制作いたしました。
今回は恩師へ絶対に素敵なものを送りたいという思いであろうということと、多数の贈答者様に納得して頂けるかと言う点でプレッシャーがありましたが、打ち合わせを重ねより良い品物を制作することが出来ました。また、皆さまに喜んでもらえたお知らせに嬉しく、ほっといたしました。